公募要領を3回読んでみたら、超小規模事業者だけが引っかかる「見えないハードル」が3つあることに気づきました。今日はそれを全部さらします。
はじめに:一人社長あるある「俺、そもそも申請できるの?」
うちで実際に取った時の話なんですけど、最初に「あれ、俺って申請できるの?」って詰まったんですよね。従業員ゼロ、代表者一人で回してる会社。デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公募要領を開いて、いきなり「労働生産性」とか「従業員数」とか出てきて、「これ、俺のための補助金じゃないのかな」ってなる感覚、わかりますか?
結論から言うと、一人社長でも申請できます。ただし、超小規模だからこそ引っかかりやすいポイントが3つあって、そこを事前に知っておかないと申請直前で詰むんです。今回は2026年10月30日の第6次締切を控えたこのタイミングで、その3パターンをまとめて解説します。
パターン①:gBizIDが「メンバー」だったパターン
何が起きるか
デジタル化・AI導入補助金2026の申請には、gBizIDプライムアカウントが必須です。「gBizIDは持ってる」って人でも、よくあるのが「メンバー」アカウントしか持っていないケース。
gBizIDには3種類あります。
- プライム:法人代表者・個人事業主本人が取得できる最上位アカウント。補助金申請に使えるのはこれだけ。
- メンバー:従業員や経理担当者がプライムの下に作るアカウント。補助金申請には使えない。
- エントリー:印鑑証明なしで作れるが、補助金申請には対応していない。
一人社長の場合、「プライム」と「メンバー」の違いが分かりにくい。過去に税理士や顧問が「とりあえず作っておきますね」ってセットアップしてくれたアカウントが、実はメンバーアカウントだったというケースが多いです。
公募要領を3回読んでみたら
公募要領には「gBizIDプライムを事前に取得してください」と明記してあります。でも「自分のアカウントがプライムかどうか確認する」という手順は書いていない。ここが落とし穴です。
確認方法:GビズIDポータル(gbiz-id.go.jp)にログインして、画面右上のアカウント種別を確認してください。「プライム」と表示されていれば問題なし。「メンバー」「エントリー」なら、今すぐプライム申請が必要です。
プライムの発行には、印鑑証明書の郵送+審査で約2〜3週間かかります。10月30日締切なら、今週中(10月15〜16日ごろ)に申請を始めないと間に合わない計算です。
対処法
テンプレで時短すると、手順はこうです。
- GビズIDポータルにログインしてアカウント種別を確認
- メンバー・エントリーなら「プライム申請」から新規取得手続き開始
- 法務局発行の印鑑証明書(3ヶ月以内)を準備してオンライン申請
- 承認メール受信後、IT補助金申請システムで申請可能になる
メンバーアカウントしか持っていない場合、代表者本人名義のプライムは「別人格」として新規作成できます。メンバーアカウントをプライムに「昇格」させることはできないので注意。
パターン②:「従業員がいないから労働生産性が計算できない」という誤解
何が起きるか
デジタル化・AI導入補助金2026では、労働生産性の向上が採択の重要指標になっています。公募要領の申請フォームには「現在の労働生産性」と「補助金導入後の目標労働生産性」を入力する欄があります。
ここで詰まるのが「従業員ゼロ」の一人社長。「従業員がいないんだから労働生産性の計算ができない、だから申請できない」と思って諦めてしまうパターンです。
これは誤解です。
公募要領を3回読んでみたら
労働生産性の計算式はこうです。
労働生産性 =(営業利益 + 人件費 + 減価償却費)÷ 労働時間
分母の「労働時間」は「従業員の労働時間の合計」ではなく、事業に従事した全員の労働時間の合計です。代表者自身の労働時間も含まれます。
つまり、一人社長の場合は「代表者の年間労働時間」が分母になります。たとえば年間2,000時間働いていて、営業利益+人件費(役員報酬)+減価償却費の合計が400万円なら、労働生産性は400万÷2,000=2,000円/時間です。
うちで実際に取った時の話なんですけど
最初に申請書を書いたとき、「従業員数:0人」って書いたら、入力フォームが「0人の場合は労働時間も0になりますが?」みたいな挙動をしてびっくりしたんですよ。でも公募要領の注釈をよく読んだら「代表者・役員の労働時間を含む」ってちゃんと書いてあった。
役員報酬も「人件費」に含めるというのがポイントで、一人社長の場合は役員報酬がそのまま人件費になります。これを知らずに「人件費ゼロ」で計算すると生産性が極端に低くなって、数値入力でエラーになるケースがあります。
対処法
計算に必要な数値はすべて確定申告書か決算書から取れます。
- 営業利益:損益計算書の営業利益欄
- 人件費(役員報酬含む):損益計算書の販管費明細または製造原価明細
- 減価償却費:損益計算書または注記
- 労働時間:代表者の月次勤務時間を12倍した年間時間(概算でOK)
労働時間の根拠資料は申請時点では不要ですが、採択後の実績報告で「実際にどれだけ削減できたか」の説明が必要になるので、リアルな数字で入力しておくほうが後で楽です。
パターン③:年度最終締切(10月30日)でIT導入支援事業者に断られるパターン
何が起きるか
デジタル化・AI導入補助金2026では、申請者(事業者)だけでなくIT導入支援事業者(ソフトウェアベンダーや導入支援業者)との共同申請が必須です。
問題は、10月30日という「年度最終締切」の時期です。IT導入支援事業者にとって、10月末は3つの意味で繁忙期です。
- 四半期末の営業繁忙:10〜12月は多くのIT企業がQ3末にあたる。既存大口顧客対応が優先される。
- 補助金申請の集中:最終締切前は申請件数が集中する。どの支援事業者も手いっぱいになりやすい。
- 超小規模の「後回し」問題:補助金額が数十万円規模の超小規模案件は、支援事業者の作業工数は同じでも手数料が小さい。数百万円規模の案件を優先されやすい構造がある。
公募要領を3回読んでみたら
実はこれ、公募要領には書いていない話なんですよ。でも現実として、10月に入ってから新規で支援事業者を探すと「今から申請は厳しいですね」「書類を揃える時間がない」と断られるケースが増えます。
特に、補助金額が50万円未満の小規模申請の場合、支援事業者側の作業工数は変わらないのに報酬が小さくなるため、受付を絞る業者が出てきます。
うちで実際に取った時の話なんですけど
知り合いの一人社長が「10月25日に問い合わせして5社全部断られた」と言っていて、結局申請できなかったというケースを複数聞いています。IT導入支援事業者の登録リストには2,000社以上掲載されていますが、中小・個人向けに積極的に対応する業者は限られていて、そこに申請が集中するんです。
対処法
テンプレで時短すると、こう動くのが正解です。
- 今すぐ支援事業者候補を3〜5社リストアップ:IT補助金ポータルの「IT導入支援事業者・ITツール検索」から、導入したいツールに対応する業者を確認する
- 「10月30日締切で申請したい、小規模事業者です」と先に伝える:断るなら早めに断ってもらったほうがいい。曖昧に引き延ばされると他を当たる時間がなくなる。
- 既存の取引先ベンダーを最初に当たる:普段使っているクラウドサービスのベンダーが支援事業者登録している場合がある。既存関係は優先対応されやすい。
- 地域の商工会議所に相談する:補助金申請に実績のある業者を紹介してもらえるケースがある。無料で相談できる窓口もある。
1社に断られても諦めないこと。登録事業者数は2,000社超。ただし動けるのは今週中です。
まとめ:3パターンの対処チェックリスト
| パターン | 確認事項 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| ①gBizIDプライム | GビズIDポータルでアカウント種別確認→必要なら新規取得申請 | 今週中(〜10/16) |
| ②労働生産性計算 | 代表者の役員報酬と労働時間を含めて再計算 | 申請書作成前 |
| ③支援事業者確保 | 3〜5社に今すぐ連絡、受付可否を確認 | 今週中(〜10/16) |
補助率は小規模事業者で2/3〜4/5。超小規模でもちゃんと使える補助金です。第6次締切は2026年10月30日17:00。3パターン全部クリアできれば、今からでも申請は間に合います。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一人社長でも本当にデジタル化・AI導入補助金2026を申請できますか?
申請できます。従業員数が0でも、代表者自身が事業に従事している限り、労働生産性の計算に代表者の労働時間を含めることができます。公募要領の「労働時間」の定義を確認した上で書類を作成してください。
Q2. gBizIDプライムの取得にどのくらいかかりますか?
印鑑証明書の郵送+審査で通常2〜3週間かかります。10月30日締切に間に合わせるには、遅くとも10月15〜16日ごろに申請を開始する必要があります。エントリーやメンバーアカウントからプライムへの「切り替え」はできないため、新規取得が必要です。
Q3. IT導入支援事業者が見つからない場合はどうすればいいですか?
IT補助金ポータルの「IT導入支援事業者・ITツール検索」から、導入したいジャンルに対応する業者を複数候補として当たってください。10月末は繁忙期のため断られやすいですが、2,000社以上登録されています。地域の商工会議所に相談すると、実績のある業者を紹介してもらえるケースもあります。
Q4. 役員報酬を人件費に含めて労働生産性を計算するのは正しいですか?
正しいです。公募要領では「人件費」に役員報酬を含めると明記されています。一人社長の場合、役員報酬そのものが労働生産性計算の分子に入る主要な費用項目になります。確定申告書や決算書の数字をそのまま使って計算してください。
Q5. 第6次締切を逃した場合、次の締切はいつですか?
2026年10月30日の第6次締切が2026年度の最終締切となる予定です。次の公募(2027年度)の開始時期は未定で、制度改正が入る可能性もあります。今年度の申請を検討しているなら、10月30日の締切に間に合わせることを強くお勧めします。
参考情報
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)公式サイト(it-hojo.jp)
- GビズID公式ポータル(gbiz-id.go.jp)—アカウント種別の確認・プライム申請はこちら
- 中小企業庁:小規模事業者向け補助金・支援施策一覧(chusho.meti.go.jp)





